
給食委託とか病院は向いてない気がするし。管理栄養士を活かすためにドラッグストアで働くのはどうなんだろう。
管理栄養士として働く上でドラッグストアへの就職を考えている方も多いと思います。
しかし周りから
- ドラッグストアはブラックだから辞めた方がいい
- ドラッグストアで働いても資格は活かせないよ
と反対されてどうしようか迷っている方もいるのではないでしょうか。
私は病院、ドラッグストアで管理栄養士として勤務した経験がありますが、その経験から申し上げますと
仕事自体にやりがいはあるが、長く続けられる仕事ではない
というのが正直な感想です。
ドラッグストアの管理栄養士って何するの?


ドラッグストアの管理栄養士というと聞こえはいいですが、実際にやることは
- レジ・接客
- 発注・品出し
- 医薬品対応(登録販売者取得後)
- 事務作業
- パート・アルバイトスタッフのシフト管理
- レジ締め(精算)
- 商品の補充・売場メンテナンス
- 棚卸・在庫管理
など基本的に普通のスタッフとやることは変わりません。
特に品出しや売場メンテは重い物を持ち上げたりなど肉体労働的な作業が中心になります。
管理栄養士の業務があるかどうかは企業次第
管理栄養士の資格が全面に活かせる業務があるかどうかはその企業次第です。
企業によっては来店されたお客様への栄養指導や栄養相談を受けるイベントを実施している所もあります。
ただ、そのイベントは毎日開催されているわけではなく、基本は月に1回程度の頻度です。
そのため管理栄養士としてバリバリキャリアを積んでいきたいと思うのなら成長機会は少ないのかなと思いました。
少ない仕事で手当が貰えると考えたら悪くはない
ただ、管理栄養士としての仕事が少ないというのは逆にいえば、少ない仕事でお給料が貰えるという風に捉えることもできます。
たった1回の栄養士のイベントに参加するだけで毎月1万円以上の手当が貰えると考えるとやりがいを求めてない方からすれば意外と美味しいなと感じる部分もあると思います。
ただ、管理栄養士の仕事が少ないだけで基本的にドラッグストアでの仕事は激務です。
毎日長時間の労働を強いられながら休みも少ない生活を余儀なくされることを考えるとやっぱり割に合わないと感じる方が大半かと思います。
ドラッグストアの管理栄養士やめとけはガチ?何がきついの?


ドラッグストアで働いている中で特にきついと感じる点は5つあります。
- 販売ノルマに追われる
- 接客でストレスが溜まる
- 現場は常に人手不足
- ワークライフバランスが取れない
- 異動や出張が多い
販売ノルマに追われる
これは管理栄養士だからというわけではなく、単純にドラッグストアの社員として働くとノルマに追われることになります。
毎月様々な商品がキャンペーンやコンクール対象として挙げられ、その商品にはそれぞれ目標という名のノルマが設定されています。
企業によってはその目標を達成できないなら自腹切って買うことを強要されることも少なくありません。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
接客でストレスが溜まる
ドラッグストアでの仕事は基本的にお客様の対応がメインです。
お客様の中には態度が悪く理不尽すぎる要求をしてくる方も少なくありません。
そのようなお客様に対しても真摯な対応を取らなければならないという状況は想像以上にきついしメンタルをえぐられます。
病院で態度の悪い患者様の相手をするのも大変でしたが、やはりドラッグストアの方が悪いお客様に出くわす頻度も高くて大変です。
現場は常に人手不足
ドラッグストアの現場はどこも常に人手不足です。
余程良い店舗に配属されない限り、常に人が少ない状態での勤務を強いられると思います。
特に辛いのが登録販売者が1人の状態での勤務。
医薬品の対応の度に自分が行かなければいけないので、休憩もまともに取れないです。
ワークライフバランスが取れない
不定休でシフト制の仕事なので当然といえば当然ですが、ワークライフバランスを取るのは難しいです。
朝早くに出勤する早番もあれば、午後から出勤する遅番、朝からラストまで勤務する通し勤務など勤務時間は様々です。
特に通し勤務はかなり過酷で私の場合だと16時間職場で拘束でした。
営業時間の長いお店だとどうしても超長時間労働を強いられがちなので、ドラッグストアで働くなら会社の営業時間も重要なポイントだと思います。
異動や出張が多い
企業や配属された店舗の運もあるかもですが、ドラッグストアの異動や出張頻度はかなり高めです。
人材の流動が激しい業界なので、とある店舗の社員が突然辞めて別の店舗の社員が異動になったり、応援に向かうなどの事は日常茶飯事でした。
またドラッグストアでは登録販売者が出勤していなければ医薬品の販売ができないというルールも法で定められているので、資格者補充のために長期応援という形で出張を命じられることもあります。
長期の出張も突然命じられるためプライベートの予定など重視して働きたい方は正直すごく働きにくいと感じる場面が多いと思います。
ドラッグストアで管理栄養士として働くメリットはある?
労働環境の過酷なドラッグストアですが、悪い面ばかりでもありません。
具体的に以下のようなメリットもあります。
- 出世が早い
- 給料が比較的高い(管理栄養士職の中では)
- お客様に感謝される
出世が早い
ドラッグストアの場合、管理栄養士を持っているだけで重宝してくれる企業が多いです。
また管理栄養士の中でも役職が作られている所もあるので、一般スタッフと比較すると出世のチャンスは多いように感じました。
また女性の場合、化粧品に関しての知識を付ければ化粧品販売者としての役職に就くことも可能です。
そのため病院やメーカーなどと比較すると出世のチャンスが多くて、若い内に様々な経験が詰めるというメリットはあると思います。
給料が比較的高い(管理栄養士職の中では)
あくまで管理栄養士として働く場合の話ですが、ドラッグストア管理栄養士は給食委託会社や病院の管理栄養士と比較すると給料がそこそこ高いです。
- 病院の頃(新卒1年目):手取りで18万
- ドラッグストア(新卒2年目):手取りで24万(登録販売者+管理栄養士:店長になる前)
- ドラッグストア(新卒2~3年目):手取りで30万(登録販売者+管理栄養士+店長)
県外への出張なしの勤務区分で病院の頃の1.5倍ぐらいは貰えていました。
小さな会社だと仕事の出来次第では半年程で抜擢されることもあります。
なので管理栄養士としてのやりがいは求めず単純に給料だけを求めるならそこまで悪い仕事ではないのかもしれません。
小売業界の給与水準は低い
ただ、給与が高いといってもあくまで管理栄養士職の中での話です。
病院や給食委託と比べると高いですが、やはり食品メーカーや製薬会社などと比較すると低いです。
また休日やワークライフバランスの面で考えてもドラッグストアはかなりきついので、選ぶ業界としてはあまりおすすめしません。
お客様に感謝されることも多い
ドラッグストアの仕事は対お客様相手になるので、親身に相談に乗れば、それだけ感謝されることも多いです。
医薬品や普段の食事、生活習慣病など様々な悩みを抱えたお客様が来店されるので、日々勉強になる場面もあります。
もちろん病院の頃と比べるとそこまで深い知識は必要とされませんが、単純に目の前のお客様の悩みを解決してあげて喜ばれるのは非常に嬉しいしやりがいになりますよ。
ドラッグストアの管理栄養士はどんな人が向いてるの?
実際に働いてみてドラッグストアの管理栄養士は以下のような方が向いていると感じました。
- 体力に自信がある
- 接客が苦にならない
- 管理栄養士としてのキャリアを重視していない
- 医薬品や化粧品・健康に関する勉強が苦にならない
体力に自信がある
ドラッグストアで働く上で1番重要なのは体力です。
過酷な長時間労働を強いられる中で体力に自信がないのはかなりのディスアドバンテージです。
ただ体力は年齢を重ねる毎に必ず衰えていくものでもあります。
そのため若い内は大丈夫でも年齢を重ねる毎に体力面の不安は日々積み重なっていくのではないかと感じていました。
接客が苦にならない
「接客が好き」と言ってる人よりも「接客が苦にならない」と言ってる人の方が正直向いていると思います。
やっぱりお客様の対応をしている上では良いお客様の印象よりも悪いお客様の印象の方が強く頭に残りやすいです。
高圧的な態度でクレームを申されたり、理不尽な要求を受ける場面が続けば精神的に病んでしまうこともあります。
そのため接客に対してキラキラしたイメージを持っている人よりも苦じゃないから仕事にしたいと考えているの方が長く続けやすいのかなと感じました。
管理栄養士としてのキャリアを重視していない
先述した通り、ドラッグストアでの管理栄養士業務は全体の業務の内の1割にも満たない程度です。
管理栄養士の資格はほとんど活きないと言っても過言ではありません。
今後管理栄養士の資格を軸としたキャリアを積んでいきたいと考えているのであれば、まずドラッグストアを選ぶべきではないです。
病院や給食施設、食品メーカーなどへの就職をおすすめします。
医薬品や化粧品・健康に関する勉強が苦にならない
管理栄養士の資格が活きないからといって勉強しなくていいわけではありません。
ドラッグストア働くなら栄養面の知識以外に一般用医薬品や化粧品などに関する知識も身に着けていく必要があります。
そのため、勉強すること自体は非常に多いです。
業務自体は単調なものではありますが、医薬品や化粧品に関して専門的な知識を身に着ければ将来的に製薬会社や化粧品メーカーへの転職の道も開ける可能性もあると考えると、新卒で第一志望の業界に入れなかった方が選ぶ転職先としてはありだと思います。
もちろん今の時点で登録販売者として一定のキャリアを積んだ方は新たな道に進める可能性もあります。
ドラッグストアの管理栄養士は楽しいけど長く続けられる仕事ではない
ドラッグストアの管理栄養士はきついですが、仕事自体は結構楽しいです。
周りの社員やパートさん方とも円満な関係を築くことができれば、日々伸び伸びと働けてとても居心地の良い環境ではあると思います。
ただ、やはり日々不安を感じるのは体力面です。
肉体を酷使する業務が中心のドラッグストアで年齢を重ねても続けられるかと考えるとやはり難しい面が大きいように感じます。
医薬品や化粧品に興味があって接客業を一度経験してみたいという方が一度踏み込んでみるのはありだと思いますが、年齢を重ねた後のキャリアについての不安が常に付き纏う事は覚悟しておいた方がいいと思います。
ドラッグストア管理栄養士からの転職は早めに決断を
ドラッグストアからの転職を考えるならやはり若い時の方がいいです。
30代を超えてから未経験で別業界に転職しようと思っても必ず年齢の壁が付き纏います。
20代の若い内ならポテンシャル面を考慮して採用を前向きに考えてくれる企業も多いです。
しかし自分はどんな企業に転職できるのか分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そんな方はミイダスのコンテンピシー診断を使ってみるのがおすすめです。
コンテンピシー診断では自身の経験だけでなく性格面や心理的な部分も考慮して自分がどんな職種で活躍できる素質を持っているのか客観的に分析することができます。
転職では良い会社に入るのも大事ですが、自分の適性に合った会社を選ぶことも重要です。
自分の適性に合わない職種を選んでしまうとせっかく良い会社に入ってもなかなか評価が上がらず年収も上がらないという状態に陥ってしまうからです。
- 自分に合う仕事が分からない
- 転職したいけど何から始めたらいいのか分からない
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こんな方はぜひミイダスのコンテンピシー診断を受けてみてください。
ドラッグストア管理栄養士におすすめの転職先3選
ドラッグストアで培った知識や経験は、あなたの大きな強みです。
お客様の健康に貢献しつつ自身のワークライフバランスを意識した働き方を実現するなら転職してみるのもありだと思います。
今回は、ドラッグストア管理栄養士の方におすすめの転職先を3つご紹介します。
食品メーカー
食品メーカーでは、新商品の開発や既存商品の改良など、食を通じて人々の健康に貢献することができます。
特に、近年注目されている健康志向の高まりを受け、栄養士の役割はますます重要になっています。
ワークライフバランスに関しても、食品メーカーによってはフレックスタイム制やリモートワークを導入しているところもあり、柔軟な働き方ができる可能性があります。
健康食品会社
健康食品会社では、お客様への栄養相談や健康に関するセミナーなど、専門知識を活かして直接お客様と関わる仕事ができます。
お客様の健康をサポートするやりがいのある仕事でありながら、多くの企業が働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
特に、女性社員の割合が多い企業も多く、育児休暇や時短勤務制度などが整っているケースも少なくありません。
病院・クリニック
病院やクリニックでは、入院患者さんや外来患者さんへの栄養指導、献立作成など、医療の一員として活躍できます。
チーム医療の一員として、医師や看護師など様々な職種の人々と協力しながら、患者さんの健康回復に貢献できることは大きなやりがいとなるでしょう。
近年では、医療現場でも働き方改革が進み、残業時間の削減や休日取得の推進など、働きやすい環境づくりが進められています。
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