直営の病院栄養士として1年、ドラッグストアで2年の勤務経験のある筆者です。
新卒から3年が経ったタイミングで以下のような事情から転職を決意しました。
- ドラッグストアの不規則な勤務形態では将来が見えない
- ドラッグストアだと転勤や異動が避けられない(勤務地がコロコロ変わる)
- 将来的には地元に残って長く働き続けたい
仕事内容的には病院でもドラッグストアでもどっちでも構いません。
ただ1番重視したいと思ったのは勤務地の安定性。
今住んでいる場所で長く働き続けるならやっぱり病院が良いのかなと思い、直営の病院栄養士に戻る事にしました。
今回は実際に病院とドラッグストア両方経験した体験談から双方のメリット・デメリットや人生設計を考えた上で私が病院の栄養士に戻ろうと思った理由を解説します。
病院の管理栄養士とドラッグストアどっちも経験したけどやっぱり病院が良いと思った理由

私は以下の理由から病院栄養士として今後キャリアを積もうと決めました。
- 異動や転勤は避けたい
- 日勤帯で働ける仕事が良い
- 家庭やプライベートの時間を大切にしたい
- 管理栄養士としての専門性を高めたい
異動や転勤は避けたい
1番の理由は異動や転勤を避けたいと思った事です。
ドラッグストアは総合職採用となるため、異動や転勤が避けられません。
会社によっては働く地域を絞れる勤務区分もありますが、その職種だと出世には天井があります(大体は店長止まり)。
また地域専任の勤務区分でもドラッグストアは常に人手不足なので「長期出張」という扱いで遠方への応援を命じられる事があります。
常に突然出張を命じられる可能性のある状態ではプライベートの予定を立てるのも難しいですし、ワークライフバランスは全く充実しません。
それよりは決まった場所で働ける病院の方が今後の将来を考える上では良いのかなと感じました。

日勤帯で働ける仕事が良い
病院の管理栄養士は基本的に日勤帯での仕事が多いです。
もちろん早番、遅番はありますが、シフト上は遅くとも19時には帰れます。
しかし、ドラッグストアの場合は店舗の営業時間内は仕事です。
営業時間は会社によって違いますが、早くとも21時までは営業している所がほとんど。
今後家庭を持って働くと考えた時にドラッグストアのような夜遅くまでシフトの組まれる仕事は大変です。
それよりは朝早い早番はあれど、日勤帯で働ける病院栄養士の方に魅力を感じました。
家庭やプライベートの時間を大切にしたい
家庭やプライベートの時間を大切にするなら絶対に病院をおすすめします。
ドラッグストアはとにかく異動や転勤が多くて大変です。
遠隔地への応援や転勤は最初こそ楽しいですが、だんだん嫌になってきます。
予定を立てていたとしても
「来月から遠方の○○店に1か月間行ってきて」
と命じられれば断る選択肢はありません。
地元で腰を据えて働きたいと思ってドラッグストアに入社したのに入ってみたら「長期出張」という名の転勤だらけでうんざりでした。
管理栄養士としての専門性を高めたい
管理栄養士としての専門性を高めたいならやはり病院一択です。
ドラッグストアももちろん管理栄養士の資格が優遇される事はあります。
しかしドラッグストアで働く以上必ず持っておかなければいけない資格ではありません。
むしろ必要とされるのは医薬品登録販売者の資格です。
ドラッグストアでは登録販売者としての専門性が高まるという認識でキャリアを積むことになります。
直営の病院管理栄養士として働くデメリット

ただ病院の栄養士にもデメリットはあります。
- 勉強が大変
- 職場によっては朝が早い
- 給料が低い
勉強が大変
どちらも日々勉強は必須ですが、どっちが大変かといえばやっぱり病院かなと思います。
ドラッグストアと病院の大きな違いは人の命を預かるかどうか。
もちろんドラッグストアもお客様に処方する医薬品の選択を間違えれば危うく事故に繋がる事もあります。
しかし病院はそれ以上に常に人の命を預かっているという自覚が必要で、臨床に関わる分野も深く学んでいく必要があります。
逆にいうと常に学んでいきたい性格の人は病院の方がやりがいがあっていいと思います。
職場によっては朝が早い
病院の栄養士は職場によっては早番があるので朝が早いです。
ドラッグストアは早くとも8時出勤という所が多いですが、病院は5時~6時台のシフトが多いです。
早朝勤務が苦手な方は病院だとしんどいと感じるかもしれません。
給料が低い
病院とドラッグストアで比較すればお給料が良いのはドラッグストアです。
私も新しい病院に転職して多少は給料が上がりましたが、それでもドラッグストアには及びません。
ただそれは月給だけで見た話。
病院の良い所は賞与が安定して出る所でもあります。
ドラッグストアの場合、賞与が高い所はあんまりないので総合的に見るとそこまで差はないかなと感じました。
ドラッグストアの管理栄養士として働くメリットは?
一方でドラッグストアの管理栄養士として働くメリットは4つあります。
- 病院よりも給料が高い
- 早い段階でマネジメントスキルが身に付く
- 調理業務がない
- 会社のお金で色んな場所に行ける(住める)
病院よりも給料が高い
民間の病院と比較すると給料は比較的高めです。
実際私は病院からドラッグストアに転職して手取りが7万くらい増えました。
- 病院栄養士:手取り16~17万円程度
- ドラッグストア管理栄養士:手取り23~25万円程度
ドラッグストアは勤務エリアによって給料が大きく変わってきます。
私は1番低いエリア限定の勤務区分でこれだけ貰えていたので、全国転勤ありの区分なら手取りで30万は軽く超えていたと思います。
ドラッグストアの転勤はなかなかシビアです
転勤を伴うという事は勤務場所はおろか、住む場所すら自分の意思では選べません。

離島や遠隔地など住み慣れた場所から遠く離れた場所で勤務しなければならない可能性があることを考慮すると結構しんどいですよね。
実際全国転勤を伴う区分の社員の大半は離島に飛ばされている事が多かったです。
全く知らない土地に行けば気軽に遊べる友達も近くにいないし、想像以上にしんどいと思いますよ。
早い段階でマネジメントスキルが身に付く
ドラッグストアは比較的出世が早いです。
私のいた会社だと新入社員でも最短半年で店長になる人がいました。
私も登録販売者を持っていたので1年も経たない内に店長への昇格のオファーがありました。
店長になれば、店舗全体のマネジメントを任されるので早い段階でマネジメントスキルが磨けますし、店長手当は会社によってはかなり大きいです。
20代で他の同世代よりも早く出世できて高い給料が貰える事を考えると案外悪くはない業界だと思います。
調理業務がない
いざ管理栄養士になったけど調理をしたくない方は多いはず。
ドラッグストアは食事を作る仕事ではないので調理業務はせずに管理栄養士の資格を活かす事ができます。
ただ、現実的な話、管理栄養士のキャリアで絶対に避けては通れないのが調理でもあります。
新卒でドラッグストアに入れば調理を経験しない分、今後病院や施設などで管理栄養士として働きたくなったとしても転職は絶望的になると考えた方がいいでしょう。
基本的に病院や施設の管理栄養士の募集は調理現場での経験者を優遇することが多いからです。



病院からドラッグストアへの転職は簡単だけどドラッグストアから病院への転職は経験がないとかなり難しいです。
私も病院での経験があったからドラッグストアから病院への転職ができましたが、病院での経験者優遇だったので新卒からドラッグストアだったら多分無理だったと思います。
この先少しでも管理栄養士のキャリアに未練が残りそうなら病院や施設で経験を積んでおいた方がいいのかなと個人的には思いました。
会社のお金で色んな場所に行ける(住める)
ドラッグストアは引越しを伴う転勤ありの勤務区分を選べば、不定期に会社都合の転勤があります。
会社都合の転勤であれば、引越し費用や遠征費用は会社持ちで色んな場所に行ったり住む事も可能です。
1つの場所に住むことにこだわりがなく色んな場所に住んでみたいという方は転勤のあるドラッグストアの方が楽しく生きやすいかもしれません。
結論:住む場所を重視するなら病院栄養士の方がメリットが大きい
私は両方経験してみて以下の結論に達しました。
- 住む場所を重視するなら病院
- 住む場所がどこでもいいならドラッグストア
将来的に1つの場所で長く働く事を重視するならやっぱり病院が良いです。
私は地元が好きでできれば結婚後も実家の近くに家を買って働きたいと思ったので異動や転勤のない病院を選びました。
一方で住む場所にこだわりがなく別に転勤や異動があっても構わない方はドラッグストアがいいでしょう。
ただドラッグストアなら若い内は全国転勤ありの勤務区分がおすすめです。
ぶっちゃけドラッグストアは給料が高いといってもエリア限定職なら病院の栄養士とさほど変わりません。
全国転勤ありの職種は転勤のリスクがある分、手当が手厚く出世も早いです。
若くて自由の効く内に色んな場所に行ったり住んだりしてみて、ある程度将来像が固まってきたらエリアを絞ってエリア限定職で働くのもありなのかなと思います。
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