管理栄養士の仕事に将来性はあるのでしょうか。周りの同級生と比較しても給料は低いし、労働条件は過酷だし。最近はAIも発達してるから仕事なくなるんじゃないかと不安です。
こんな疑問を解決します。
管理栄養士の仕事が将来なくなるんじゃないじゃないかと不安に感じていませんか。
過酷で責任の重い仕事をしているにも関わらず、給料は周りの同級生と比べても低い。
おまけに管理栄養士は飽和しているという話もあるし、将来仕事がなくなるんじゃないかと不安になる方も多いはずです。
実は私も同じことで悩んでました。
んで、色々考えた結果、1つの結論の辿り着いたので本記事でお伝えさせていただきます。
結論からいうと管理栄養士の仕事が将来なくなる可能性は低いです。むしろ今後需要はさらに高まる可能性もあります。かといって給与水準が今より好転することはないと思います。また一部の仕事はAIに代替される可能性も否定できない状況です。
需要は尽きないけど、給料が上がることはないということです。
管理栄養士の需要は消えないけど将来性があるとは言えない
個人的に管理栄養士の将来性があるとはいえないと思います。
たしかに今後ますます高齢化が進行することを考慮すると、需要は尽きるどころかむしろ上がるでしょう。
健康や食に関する需要が尽きることはないからです。
実際、管理栄養士が働ける職場は給食業界や食品業界、薬局・ドラッグストア、行政など多岐に渡ります。
つまり働く先は、場所を選ばなければたくさんあるということです。
しかし、注目すべきは需要があるにも関わらず、管理栄養士として働く人が少ないことではないでしょうか。
需要はあるのに管理栄養士として働く人は少ない
周りの同級生を見ても管理栄養士を持っているのに管理栄養士以外の仕事をしている人の方が多いのではないでしょうか。
恐らく続けている人は
- 管理栄養士の仕事が好きだから
- 行政や大学教授など給与面に恵まれた仕事に就けたから
- 辞めたとしても他の仕事をできる自信がないから
- 転職できる自信がないから
だと思います。
それはさておき、なぜ管理栄養士を持っているのに管理栄養士として働く人は少ないのか。
結論からいうと、管理栄養士の給料は一般的な水準よりも低いからです。
低いだけなら許容できますが、職場次第では生活するのがやっとというレベルになることも少なくありません。
つまり、需要があるとはいっても、高い給与が望める場所で需要があるわけではないのです。
その理由には以下2つが関係しています。
- 管理栄養士の数は飽和しているから
- 元々存在した需要に供給を充てた仕事だから
理由1.管理栄養士の数は飽和しているから
管理栄養士の数は確実に飽和しています。
その証拠に病院や行政、学校など人気の高い職場は、高い倍率を勝ち抜かなければ働くことができません。
一方で給食委託のような不人気といわれる職場は慢性的な人手不足状態です。
需要があるとはいえど、働きたいと思う職場に入ることを前提に考えると「飽和している=将来性ない」という見方が正しいように思います。
だって他に良い仕事があるなら好き好んで条件の悪い環境で働きたいとは思わないですよね。
ほとんどの人が選択肢として除外する場所に需要があっても意味はないのです。
実際、業界が人手不足であるにも関わらず、資格なしで働いている管理栄養士はたくさんいます。
そういう視点で見ると、「需要がある=将来性がある」という見方をする人達の考えた方に疑問を感じるのです。
理由2.元々存在した需要に供給を充てた仕事だから
基本的に給料の高い仕事は、生きる上で必要ないのに無理矢理価値を見出した商売に関わるものです。
分かりやすいのは、美容やサプリ、高級ブランド、エンタメなど。典型的なのは宗教やスピリチュアル。
この辺は別に存在しなくても生きるという観点で見れば支障がありません。
にも関わらず、上記に関わる業界は利益率が高く給料が高い傾向にあります。
それはなぜか。
無理矢理作り出した価値はいくらでも価格を高められる上に、お金を払う人が一定数いるからです。
スピリチュアル系の話に洗脳された人が数十万円(原価0円)の石ころを買ってしまうのが分かりやすい例だと思います。
このように無理やり価値を見出して作り出した商売に関わる仕事は、安定度の脆さはあれど高い報酬が見込めてしまうのです。
逆に医療や食、介護など生き抜く上で必要性の高い業界に関わる仕事ほど安定度は増す分、給料は低い傾向にあります。元々存在した需要に付加価値を付けるのは難しいからです。以上のことを踏まえると管理栄養士の仕事は元々存在した需要(根源的な需要)から生まれた仕事なので、今後お金の面で待遇が良くなる可能性は低いことが分かります。
上記内容をまとめると
- 給料の高い仕事=需要(価値)を作り出すことで生まれた仕事。安定度は低いが、高い報酬が見込める。
- 給料の低い仕事=元々存在した需要に供給を充てた仕事。安定度は高いが、報酬は低い。
ということです。
それでも管理栄養士を活かして給与面も妥協したくないなら、自分で事業を起こして何らかの価値(需要)を作り出すしかありません。
それが無理なら
- 管理栄養士として給料の低さは目を瞑り、安定した雇用の中で働き続ける
- 利益率の高い業界に転職して年収アップを目指す
上記2つのどちらかになるはずです。
若いうちに管理栄養士以外の仕事に挑戦してみるのもおすすめ!
給与面を重視するなら、利益率の高い業界に転職して年収アップを目指すのがおすすめです。
私は新卒で病院に就職しましたが、今は管理栄養士からは離れてWEB系の仕事をしています。
理由は以下の通り。
- 将来結婚や子供を考えた時に年収が低いと不安
- 年収が低いとパートナー探しにも苦戦する
- 管理栄養士の仕事に対して深い思い入れはない
1番の要因は、管理栄養士の仕事に対して深い思い入れがないことです。
周りの同級生は管理栄養士の仕事内容が好きで続けている人も多いですが、私はその考えに共感できません。
どうせ仕事はきついものなんですから
- 同じ給料を貰うならもう少し気楽に働ける仕事
- 嫌な仕事をするならそれなりの対価がもらえる仕事
の方がいいと思うんです。
資格取得を理由に嫌々管理栄養士の仕事を続けるメリットはないのかなと。
むしろ嫌でたまらない、向いてないと感じるのに続けても自分を苦しめるだけなのではないでしょうか。
いつでも再就職可能なのが有資格者最大のメリット
なぜなら管理栄養士の職場から離れたとしても資格は消えないからです。
再就職を考える場合も最悪資格があればなんとかなります。
怖いのはその逆です。
「管理栄養士としての職歴」しかない状態で30代、40代を迎えると別業界への転職は驚く程難しくなります。
つまり雇用は安定してるけど、給料は低い水準のままの状態に陥るのです。
管理栄養士の仕事が好きならそれで構わないかもしれませんが、嫌々続けている人にとっては残酷すぎる話じゃないでしょうか。
そもそも資格とは選択肢を広めるものであって、狭めるものにしてはいけません。
仕事内容がつまらない、向いてない、もっと年収を上げたいと思うのなら一度離れてみるのもありだと思いますよ。
管理栄養士以外の仕事をしたいけど・・・
中には管理栄養士以外の仕事をしてみたいけど、
- 管理栄養士以外の仕事ができるか不安
- 転職するとしても面接で何を話したらいいか分からない
- 管理栄養士以外の業界は見たことなくてどんな職場に転職したらいいのか分からない
こんな悩みを抱えて行動できず困っているんじゃないでしょうか。
私もそうだったので気持ちはすごく分かります。
しかし、そこを乗り切って無事転職できれば、過酷な労働環境から解放されるかもしれませんよ。
とりあえず、どんな職場に転職したらいいか分からない場合はミイダスのコンテンピシー診断を受けてみるのがおすすめです。
質問に答えれば
- 自分が本来持っている強みや性格
- 自分がどんな職場で適性を発揮しやすいのか
- 自分のスキルは市場でどのくらい評価されるのか(想定年収)
など教えてもらえます。
強みに関しては面接で自己PRを話す際の材料にもなるので、便利ですよ。
診断は無料で受けられるので、気になる方はぜひ使ってみてください。
管理栄養士の仕事はAIに取られるのか?
将来性の話でもう1つ。
管理栄養士の仕事はAIに取られるのかという点です。
個人的に一部の仕事は取られる可能性があると考えています。
AIに取られる可能性のある仕事
- 集団栄養指導(一部個別)
- 栄養指導の構成・資料作成
- 献立作成
- 栄養状態の評価・スクリーニング
集団栄養指導(一部個別)
AIは教育系の分野で大きな革命をもたらすのではないかといわれています。
なので、集団栄養指導はAIに代替される可能性が高いかもしれません。
栄養や食事に関する基礎的な知識はAIを通して集団ではなくAIによる一問一答形式の形で行われ、理解度の確認を人が行うなど簡素化するのではないかと考えています。
一方で個別栄養指導はAIには向かないのではないでしょうか。
なぜなら、患者様1人1人の食習慣や癖、考え方など個人差が大きすぎるからです。
また栄養指導は「患者様との信頼」や「共感の姿勢」などAIが苦手とする部分も必要な業務でもあります。
そのため全てがAIに代替されるとは考えにくいですが、患者様の状態次第では一部代替される可能性もあるでしょう。
栄養指導の構成・資料作成
AIは文章の構成作成や、図解資料の作成も得意です。
そのため、栄養指導の際に使用する資料の作成には大きく力を発揮してくれるでしょう。
これに関しては奪われるというより、業務効率化に寄与してくれるという言い方が正しいように思います。
献立作成・食材管理
AIの学習能力が向上すれば献立作成・食材管理は全て代替できるかもしれません。
一定以上の学習源となる情報があれば人以上に正確な業務をこなせる可能性も秘めています。
ただ、複雑な献立の展開までできるようになるにはまだまだ時間がかかりそうな気はしますね。
栄養状態の評価・スクリーニング
栄養状態の評価・・スクリーニングは一部代替されるかもしれません。
スクリーニングは患者様の予後を左右する重要な部分になるので、人による目視確認は避けられないと思いますが、AIにも同時に評価させることでより正確な評価ができるかもしれないのです。
特にスクリーニングは管理栄養士個人の感覚や技量の差が出やすいところでもあります。
その点を考慮するとAIによる確認も合わせてできるのは大きなメリットです。
需要の尽きない仕事はAIに代替しにくい?
ちょっと悩ましいのが需要の尽きない仕事ほどAIには代替しにくいのではないかというところです。
特に大量調理の現場をAIが代替するのは現実的に不可能だと思います。
一般的に不人気な給食委託の仕事がAIで代替できれば、人手不足問題解決の光が見えそうな気もするので、なんとも悩ましいですね。
とはいえ、献立作成や食材管理など一部業務はAIによる簡便化ができそうではあるので、負担軽減の面では役立つかもしれません。
まとめ
本記事では管理栄養士の将来性やAIに関する個人的な予想を解説しました。
本記事で言いたいこと
- 「管理栄養士の仕事に将来性がある説」の裏まで読んで行動しないと後悔する
- あくまで不人気な場所での需要が高いだけで、人気な場所はとっくに飽和している
- 管理栄養士の仕事は一部AIに代替される可能性がある
需要が尽きることはない反面、待遇が好転する可能性は低いのが悩ましいところです。
管理栄養士の仕事内容が好きなら構わないですが、プライベートや将来のことを考えると嫌々続けるメリットのある仕事とは言えないのではないでしょうか。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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