- なんだかんだで管理栄養士を取得したけど管理栄養士として働きたくない
- 管理栄養士として働いてこの先食べていけるのか不安
- きっぱりと別の道で生きたいけど大学まで行かせてくれた親に申し訳ない
- 栄養学や料理が好きで大学は選んだけど正直仕事にはしたくない
- 大学での勉強や実習がこんなに忙しいなんて思ってなかった
- 管理栄養士がこんなに稼げない職業だったなんて思ってなかった
本記事はこんな悩みを抱える管理栄養士の方や栄養学生の方に読んでほしい内容です。
国家資格だから就職にも強いだろうし、この先も安泰だろうなんて思ってはいたけれど、管理栄養士ってどうもそんな甘い世界ではないですよね。
この記事を書いている私も栄養学生の頃から強く感じていましたし、なんなら管理栄養士で就職なんてしたくないとすら思っていました。
周囲の影響や自分自身での葛藤もあって病院で働いたこともありますが、長くは続かなかったです。
今回は私の過去の悩みや体験をもとに、今管理栄養士のことで悩んでいるあなたの手助けになればと思って書いています。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
私が管理栄養士になりたかったわけ
このような悩みって管理栄養士になりたいって思った瞬間からついてくる一種の「呪い」みたいなもので、正直一生付きまとってくるものなんじゃないかと考えています。
だからこそ、まずは過去の自分についてしっかりと振り返りながら自分が本当はどうしたいのか見つめ直す必要があると思うんですよね。
かといっていきなり
さぁ過去を見つめ直してみよう‼
なんて言われてもなかなか難しいものですよね。
なのでまずは僕の過去について暴露していくので、それを参考にあなた自身はどうだったかなと考えてみるのがおすすめです。
(誰かと比較してどうこうという問題ではないので、あなた自身としっかり向き合うのがポイントだよ!)
国家資格というものに強いあこがれがあった
少し恥ずかしい話なんですが、当時高校3年生だった私は「国家資格」というものに強いあこがれを持っていました。
わかりやすく言えば、国家資格持ってたら公務員ばりに安定した上、高給取りになれるんだろうなと思っていたんです。
今思えばすごく浅はかでバカな考えを持ったくそガキだったなあって思います。
過去に戻れるなら「アホか」ってガツンといってやりたい
で、国家資格といえば、なぜか僕はお医者さんや看護師さん、薬剤師さんなど医療従事系の資格しか思い浮かばなかったんです。
どれも難しそうだし大変そうだな―なんて思いながらネットを眺めていたらある資格を見つけました。
それが「管理栄養士」だったのです。
管理栄養士になぜか強いシンパシーを感じた
僕は基本的に「超感覚派人間」なのでシンパシーとか感覚とかそんなものでほいほいと先のことを決めちゃう人間です。
なのでこの時の僕は
管理栄養士ってなんだ?国家資格?聞いたことないけど、ご飯作ったり栄養の勉強したり、なんかすごい楽しそう!(ワクワク)
的なイメージを持っていました。
さらにシンパシーを感じた大きな理由が「スポーツ栄養学」というものにすごく惹かれたからなんです。
スポーツ栄養に惹かれた
僕は小学生の頃から陸上部に入っていて、それなりに情熱を注ぎながら毎日汗を流していました。(あの頃は楽しかったなー)
で、陸上って毎日結構なエネルギーを使うので、栄養学との関わりが結構密接なんですよね。
だから、トレーナーの方やちょっとすごいアスリートの方の講演会とか参加した時に栄養について色々話を聞いたことがあったのでそれなりに興味はあったんです。
さらに僕はあまりタフじゃなかったので、結構貧血やケガなどで苦しんでた時期がありました。
その時は栄養士さんではなくて薬剤師さんから「しっかり栄養摂らないとダメだよ」って常々言われてたので、なんとなく当時の僕は
栄養学と運命的なつながりがあるのかもしれない
なんていうロマンチックな妄想を抱いていたんです。
語れば語るほど恥ずかしい
まあこんなことがあって
「とりあえず国家資格だし、管理栄養士でいいんじゃないかな」
と思って栄養学が学べる大学(管理栄養士養成校)に進んだわけです。
栄養学生の頃の話
続いて栄養学生時代の話に進んでいきます。
栄養学生とはいえど普通の大学生なわけですから人生の夏休みといわれる期間をそれなりに楽しめたかなと思います。
ただ、僕は男の子だったので、学部内が「女の子だらけ」って状況はびっくりでしたね。
入る前からあらかじめ覚悟はしていたものの、4年間その状況に慣れることはできなかったです。(男の子はみんなそんな感じじゃないかな)
まあこれは僕の大学生活の話ではなくて、管理栄養士に対する価値観が気になるところかなと思うので、
ここから僕がどんな風にキャリアを積んでいこうと考えたのか
をメインにお話していきますね。
スポーツ栄養は秒で諦めた
いきなり「え、なんで?」と思われるかもしれませんが、スポーツ栄養は秒で諦めました。
多分1年生の頃にはもういいやって思ったんじゃないかなと思います。
教授とかから色々話を聞いていたら
- スポーツ栄養士なんて女じゃなきゃ食っていけんぞ
- 実際にスポーツ栄養士として食べていける人なんてごく一握りだよ
- スポーツ栄養士なんてお金にならないよ
こんな話を多数聞いたので絶望し、諦めたのを鮮明に覚えています。(いきなり夢潰してて草)
僕自身もスポーツ栄養に対してそこまで強い思い入れがあったかといえばそうではないですし、どちらかといえば学問や知識自体に興味があっただけで仕事にしたいとまでは考えてなかったんですね。
新卒ですぐすぐなれるものではない
そもそもスポーツ栄養士は資格でもなんでもないんです。
ただ、「公認スポーツ栄養士」という資格があってその資格を取得すれば、世間からもスポーツ栄養士として認められるようになります。
要するに新卒でほいほいとなれるものではなく、2年ぐらいは普通に働いて、その後資格を取得できれば晴れてスポーツ栄養士として客観的に見てもらえるということです。
この資格をとらなくてもある程度経験があれば認定資格なしでも働けるのかもしれませんが、まあ資格があった方がスポーツ選手や実業団選手からも信頼を得られやすいですよね。
逆にいえば認定資格がないとスポーツ栄養士として働くのはほぼ不可能に近い
僕は結構飽き性ですし、そんなに強い思いで働ける自身はなかったので諦めました。
地獄の就職活動
勉強はそれなりにできたので、特に試験で落ちることもなく4年生を迎えた僕に待ち受けていたのはそう
就職活動
でした。
なぜ苦労したのかは感の良い方ならなんとなくわかるかなと思うのですが、
- 特にやりたいこともないし管理栄養士の闇は実習で痛感した
- 栄養士養成校は学力が高くない(通称Fラン)
だったので非常に苦労しました。(勉強はそれなりにできたからなんで地元の国立に行かなかったのかと非常に後悔したのを覚えています)
栄養士養成校って女子大ならそれなりに偏差値高い所もあるんですけど、共学ってなると限られるんですよね。
食品業界を希望するも
とりあえず就職活動の軸としては「食品業界」を第一に考えていました。
とにかく管理栄養士で働きたくなかったので、委託なんてまず選択肢になかったです。
しかし、食品業界はなかなか狭き門なわけで、Fラン大学だとそもそも書類選考すら通らないんですよね。
さらに面接官から飛んでくる質問が
管理栄養士もっているんだったら内で働くのはもったいないよ。
なんて山ほどいわれました。もちろんただのポジショントークで資格は関係ないと思うんですけどね。
そんなわけで50社ぐらい書類出して、5社ぐらい本選考までいきましたが、結果は全落ちでした。
絶望した末に出した苦渋の決断
就職活動は全落ちで正直絶望でした。
僕にはもう管理栄養士としての道しかないのか。そんな風に思い詰めることもありました。
さらに教授や親からも
せっかく管理栄養士とるんやし資格生かした方がいいやろ
という言葉に流され、1個だけ病院を受けることにしたんです。
なぜか合格
結果はなぜか合格でした。まあ面接は何回もやってたので、しゃべり慣れてはいましたけど、まさか受かるとは思ってなかったです。
他にも受験者が結構いて、僕なんかより断然熱い思いを語っている人もいました。
いまだになんで僕が受かったのかは不思議でならないです。
その時の体験談は下記記事でまとめました。
しかし、これが地獄の始まりだったとは当時の僕には知る由もなかったんですよね。
大学卒業して病院に就職【辞めました】
そんなこんなで病院に就職してからが地獄の始まりでした。
病院で働くとなれば世間的にも聞こえがいいので、親や親戚からも非常にもてはやされました。
その当時は自分自身としては本望じゃないけど、周りが喜んでるならそれでいいかなと思っていたんです。
しかし、実際に働いてみるとそんな考えでは到底続けきれないなというのが痛感できました。
嫌でたまらなかった
「なんか違うんだよな」
この気持ちはやっぱり間違ってなかったんだなって痛感できました。
僕はそもそも食に対してあまり関心がないですし、献立作成とか大学時代も死ぬほど嫌だったんです。
僕が入社した病院は委託も入っているし、献立作成とかはできなくてもいいのかななんて甘い気持ちを抱いてました。
でも現実は
献立作成や厨房業務は栄養管理業務をやる上で必ず避けては通れない
なんですよね。
最近の学生とかは給食管理をしたくないから栄養管理ができるところに行きたいなんて考える人が多いらしいですが、それだと絶対どこかで躓きます。
そんな考えで病院に行きたいって思うんだったらもう少し考えなおした方がいいです。
僕はどっちもいやだったけど
僕は給食管理だろうと栄養管理だろうと嫌なことには変わりなかったので、とりあえず仕事だから仕方ないと思って必死に勉強していました。
しかし、仕事だと思ってはいても体は正直で日に日にアレルギー反応を起こし始めるんですよね。
その上、上司も癖の強い人でしたから、段々と食欲もなくなり、元気がなくなって気づいたら動けなくなっていました。
自分ではどうにもできなかったので病院を受診。
「適応障害」の診断を受け医師からはドクターストップをかけられました。
こんな時ですら当時の僕は「仕事に行かないとダメだ」と思っていたので、医師からは「絶対に会社行かないでくださいね」って強く脅されたのが印象深かったです。
今思い出してみると結構シュールな光景だったな
この経験を経て、人間本当に嫌なことには体が耐えられないんだなって身に染みて感じました。
辞めた理由について深堀してみる
自分への戒めも込めてここでは、僕が管理栄養士として働く上で何が不満だったのか洗いざらい出してみます。
- 給食管理とか栄養管理とか正直どっちもしたくない
- 食や料理がそんなに好きではない(栄養学を勉強するのは好きだけど)
- 献立作るのが死ぬほど嫌
- 周りの栄養士みたいに「患者様に美味しい食事を届けたい」という高い意識もって仕事できない
- 委託はブラックとか栄養管理ができる病院はホワイトとかそんな狭い世界で生きたくない
- 女性が多い職業なのでキャリア面では本当の意味で共感できない
- どんな業務内容であれ厨房の閉塞感からの解放はない
- 管理栄養士について特に思い描いていたものもなかった
- 管理栄養士としてキャリアを積んだ場合の将来を想像した時に理想とかけ離れた姿しか想像できなかった
これ以外にも上司からのストレスがえげつなかったというのもありますが、ここでは省略しています。
興味のある方はこの記事を読んでいただけると幸いです。
これから管理栄養士として無理に働いたとしても自分の理想には到底近づかないだろうなと思ったのが1番大きいです。
それに僕は厨房や栄養管理室の閉塞感や狭い世界観が本当に嫌でした。
こんな狭い世界でキャリアを積んでそれで幸せなのかと自分を問い詰めてみた時にやっぱり違うなと思ったんです。
先述したようにもともと僕は人一倍「感覚」が鋭すぎるためか、小さい頃はなんでこんなことで深く考え込んでしまうんだろうとずっと悩んでいました。
いわゆる繊細すぎる子供だったんですね。
しかし、今思えばこれは僕にしかない「強み」なのかもしれないと思い、本気で何者かになるために夢を追いかけてみたいなとおもったんです。
だからこそ、自分の「強み」を最大限に生かすにはどうしたらいいか考えた末、管理栄養士として働くのはいったん退くことにしました。
そして今は文章を通して過去の私の悩みから同じ悩みを抱える人に何かしら価値を提供できるよう日々活動しています。
補足:高い意識もって仕事してるやつなんていないだろ
たしかに高い意識もって仕事をしている人なんてなかなかいないと思います。
みんな心の片隅には「働かないと生きていけないから」という暗黙の了解のもと働いていることでしょう。
しかし、僕の考えとして管理栄養士は「人の命」を預かる職業であることには変わりないんです。
美味しい食事を提供し、利用者の栄養管理をすることでお金をもらうわけですからね。
たとえ資格を持っているとはいえ、こんな半端な気持ちで働くのは人としてどうなのかと感じました。
僕が利用者側だったとしてもそんな人に栄養管理なんてされたくない。
そう考えたら今の気持ちのまま管理栄養士として働くことはできないなと思い、いったん退くことにしたんです。
我慢して続けても待っているのは闇ばかり
結局人間って嫌な道を我慢して進んでも「不平不満」や「漠然とした不安」、「他人が妬ましい」など負の感情ばかりしか出てこないんです。
言い方は悪いですが、管理栄養士が働くことのできる職場はその傾向が非常に強いように思います。
自分の現状が不満でたまらないから他人にそれをぶつけて、愚痴や文句のオンパレード。
TwitterなどSNSでの管理栄養士の方々のやりとりを見ているとそれが非常に痛感できますよ。
自分の職場の不満や価値観について呟いたら他のフォロワーから
管理栄養士としてどうなの?
と批判を受けたり。
そんなの「持っている価値観」が違う以上言い合ったってしょうがないんですよね。
一度くらい間違えてもいいじゃない
人間は何回人生をやり直そうが必ずどこかで失敗します。
これはどうあがこうが変えられることではないので、自分が変わっていくしかないんです。
考えてみれば、大学の進路相談なんて高校の先生がやってますけど、あの人達って「先生になる方法」しか知らないですからね。
そんな人に「管理栄養士になりたいです」なんていってもうまい答えが返せるわけないんですよ。
そもそもこの時点で将来の選択肢が狭められる日本の教育がおかしいんじゃないかなとすら思います。
要するに管理栄養士の資格を取ったとしてそれがなんか違うなと思うんだったら別の道を探してもいいということです。
管理栄養士はとってしまえば消えない
管理栄養士や栄養学生全ての方に言いたいのは「資格はとってしまえば消えない」ということです。
大学時代、アホみたいに勉強したり、お金払って再試験を受けたり、遊びたいのも我慢して授業をたくさん受けたり。
大変だっただけあってこの資格はあなたの永遠の財産となります。
しかし、この資格にとらわれすぎるのだけは絶対に避けましょう。
資格はあなたを縛るものではない
本記事で1番伝えたいこと、それは「資格はあなたの将来の選択肢を広げるものであって縛るものではない」ということ。
「管理栄養士をとったから管理栄養士として働かないと親に申し訳ない」
こんな思いで自分の選択肢を縛るのが本望ですか。
お父様やお母様の願いはあなたが幸せに暮らしてくれることだと思います。
それなのに誇りも持てず、何のために働いている(勉強している)のかわからないまま、思考停止で働き続ける姿を見て親御さんは絶対に喜ばないです。
だからこそ、自分が人生で本当にやりたいことはなんなのかというのをよく見つめ直してみましょう。
やりたいことがないなら思いっきり動くのが1番
当時の僕は周囲の期待や世間体など自分の気持ちはほとんど後回しにしていました。
しかし、人間どれだけ我慢しても嫌なものは嫌ですし、我慢できないことは我慢できないんです。
「なんか違うんだよな」
この気持ちや違和感を感じる場合は一度しっかりと自分を見つめ直した方がいいと思います。
そして自分がやりたいことや将来目指す姿が管理栄養士として働くことで達成できるのならそれでいいと思いますし、違うと思うなら別の道を探してみてもいいんです。
たった一度の人生、逃げたい時は逃げましょう。その後はゆっくり休んで旅行したり、色んな人に会ったり、たくさん本を読んだり。
そうすれば自然と道は開けてきますし、やりたいことも自然と見えてきますよ。
本記事を通して少しでもあなたの心のモヤモヤした気持ちや悩みが解消し、次の1歩の後押しになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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